2001年9月5日
池袋ライブレストラン&バー『エルドラド』
20:00〜

ヴォーカル, ギター ホブソン

サポートメンバー
ドラムス 吉田

リオの海岸を、サルバドールの空を思わせる、鮮やかなブルーのシャツで登場したホブソン。
そうだ、ブラジルの国旗のなかにあるあのブルーを思い浮かべてもらえれば、ばっちりだ。
アコースティックギターを抱えて、はにかんだような笑顔で、ステージ中央の椅子に
座った。サポートには、スピックアンドスパン等で活躍、日本のブラジル系音楽界では
草分け的存在で有名なドラマー、吉田氏が。
小気味好いボサノバギターとドラムのグルーヴにのって、ホブソンの暖かくて甘い唄が始まった。
客席はみんな、自然に、心地よさそうに体をユラしはじめた。   
「あ、この曲、知ってる!」「お?聴いたこと、あるなあ、なんだっけ?」
懐かしい知り合いに予期せず出会ったように、うれしそうに声をあげるおじ様たち。
そうなのだ、ブラジルやラテンの名曲というのは、無意識に、結構インプット
されているのだ。だから、洋楽ファンでなくても身近に楽しめてしまう。
なんといっても、名曲はメロディーがいい。 そしてブラジルのリズムは、ノリがいい。
まして、ポルトガル語の響きにホブソンの声だ。  

***「イパネマの娘」等、ボサノバナンバーでは、リオの白い砂浜の木陰でくつろいでい
るような雰囲気になり、「これって、癒し系だよねー」とうっとりささやく声が、客席から
漏れ聞こえたくらいだ。 いつもは愉快で、コンサートではステージの盛り上げ役として
皆を笑わせているホブソンだが、敢えてこの夜は大人向けにライブを構成…本人もシックでステキだ。

***サンバナンバーでは、「おいしい水」「ブラジル」「マシュケナダ」「ワンノートサンバ」等、
メジャーな曲でたっぷり楽しませてくれた。  
押し付けがましくない軽いサウンドなのだが、唄、ギター、ドラムがグルーヴィーなせいだろうか
フロアで踊りだす人もいた。
    普通の人が知らない名曲も、ちゃんと盛り込むあたりなかなか心憎い。
客席の心を捕えるのがうまい、ホブソンらしいポイントだ。
「その場にいるみんなに楽しんでほしい」彼のポリシーからきているのだろう…

***北部のフォッホ、北東部のバイーヤ音楽も忘れちゃいけない。
ブラジル音楽の中でもアフリカ音楽の影響が色濃い分野で、躍動するスピーディーな独特
のリズムが魅力的。縦ノリじゃないので慣れるまでちょっととまどうが、ハマると抜けら
れないのがバイーヤ音楽だ。世界的ヒット曲もたくさんある。
またフォッホは、ブラジルのミュージシャンでも手の内にしていない人が多い分野だ。
ホブソンはこれを研究するため、今年も1〜2ケ月ブラジル北部を旅してきた。
めったに聞けない貴重なレパートリーも紹介した。

あっというまに時間が過ぎ、ステージを降りる
ホブソンと吉田氏には熱い拍手が送られ、鳴りやまなかった。


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